新型センサーカメラFieldnote DUOの感知性能試験

あなたの自動撮影カメラの信頼性は?

新型センサーカメラFieldnote DUOの感知性能試験

【目的】

センサーカメラの必要な機能は大別して、防水機能はもちろんの事、感知して撮影までのタイムラグ、画像の解像度、センサーの感度(信頼性)能力に大別される。
新型センサーカメラFieldnote DUOは防水、タイムラグ、画像解像度はトイカメラをベースにした外国製品の比ではない事が既に知られている。
ここでは、赤外線センサーの信頼性について調べたので報告する。比較対象とした外国製品はCuddeback Captureである。

【試験方法】

  • 1.壁に高さ200 cm、幅170 cmの赤外線をさえぎる木製の板を立てかけ障壁とした。
    その板の中央下部には、床面から高さ33 cm、幅130 cmの開口部を開けた。障壁の右には、高さ200 cm、幅150 cmの木製の板を立てかけ、待機場所とした。
  • 2.カメラは被写体の移動方向に直角に、160 cm離れた場所に、床面から高さ50 cm、伏角10度で設置した。
  • 3.床はグレーのパンチカーペット、靴下は同色のものを用いた。
  • 4.室温は26°Cにセットして8時間以上の安定時間をとった。
  • 5.試験は夜間に行った。試験に必要な最小限の明るさを得るため、3W蛍光灯をカメラ後方にセットし、それ以外の室内の照明は全て消灯した。
  • 6.あらかじめ作動確認を行ったカメラを設置し、障壁の陰で所定時間待機(10秒,30秒)した。
  • 7.障壁の裏側を靴下とズボンの下部が開口部から見えるように、時速約3 kmの速度で歩いた。障壁を往復した後、待機用障壁の陰で所定時間待機した。

【結果】

  • 1.Fieldnote DUOの感知成績は100%であった。
  • 2.Cuddebackの感知成績は10~55%であった。しかも、試験2回目は1回目より感知成績が大きく低下した。この不安定性の原因は不明である。

【考察】

  • 1.Fieldnote DUOの赤外線センサーの感知能力はCuddebackより優れている。その理由は、Fieldnote DUOでは、4極素子と複眼レンズを組み合わせた世界最高水準の赤外線センサーを使用し、センサーに最適化した回路設計を行っているためである。
  • 2.新開発DUO方式の採用により、主センサーによる感知から撮影までのタイムラグは歴代のセンサーカメラのなかで最小であるだけでなく、信頼性が最も高い。
  • 3.国内有名メーカーの防水コンパクトカメラをベースとしたFieldnote DUOの画像鮮明度は、トイカメラをベースとした外国製品よりも優れている。Cuddeback等の外国製品はスポーツハンティング用としての性能しかない。生態研究用としては用途が限定されるだけでなく、感知成績が不安定であるため注意を要する。
  • 4.哺乳類に関して生息数の変化を論じるためには、少なくとも、Fieldnote DUOと同等の感知能力と安定性を持ったセンサーカメラを使用すべきである。
  • 5.一方、センサーカメラに限らず、調査機材のメーカーは、実測した性能を公表して販売すべきである。

製造メーカーとして以上の通り、問題提起を致します。これ以上の事前調査等は、ユーザーである先生方の研究結果を待ちたいと考えております。

(有)麻里府商事